TPPの大臣と

CIMG0710 甘利大臣と20150625いつもの様にマスコミ各社の記事を閲覧する・・・。

その中で目に留まった記事を抜粋する。

難産の末に大筋合意した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は今後、参加12カ国による各国内の批准プロセスに入る。これまでの日米協議では、日本の交渉責任者のTPP担当相、甘利明が「更迭」を覚悟したこともあった。

米ワシントンで昨年9月23、24両日に行われた米通商代表部(USTR)代表、フロマンとの日米閣僚協議。両国が対立していた農産品と自動車の分野で、甘利が譲歩案を提示したにもかかわらず、フロマンは歩み寄りの姿勢すら見せなかった。

「ふざけるな! そんな対応しかしないなら、もうやってられない」

甘利は席を蹴り、事務方を引き連れてそのまま帰国した。24日の協議が始まってわずか1時間。甘利は「交渉をまとめるには、歩み寄る姿勢が必要だ。今後の段取りは未定だ」と不満をぶちまけたが、亀裂は決定的になりかねなかった。

日米協議の頓挫は、年内の大筋合意を目指していたTPP交渉全体に大きく影響する。このとき、甘利は「決裂となれば、辞任しなければならない」と周囲に漏らしている。担当閣僚を更迭されることも覚悟した。

しかし、報告した首相の安倍晋三からは、思いもよらない言葉が返ってきた。

「甘利さん、それでいいんですよ。どんどんやってください。交渉は全て任せます」

× × ×

甘利がなぜ強気でいられるのか-。いぶかしがる米側は甘利周辺を徹底的に調査し、その言動を細かく分析するようになる。

米国は「甘利が激怒して部屋を出ていった当初、日米協議の行方をかなり心配していたが、数カ月たってから、あれは演技だったのではとみている」(元ホワイトハウス政策担当者)。

「甘利イコール安倍」であることを確信すると、甘利の発言に素早く反応するようになった。米側の変化に気付いた甘利は、フロマンとこんな会話もするようになる。

フロマン「あれもダメ、これもダメと言うが、TPPをまとめる気があるのか!?」

甘利「安倍政権の中で本気でまとめようとしているのは、俺と首相の2人だ。俺があきらめたら、そこでTPPは終わりだ」

フロマン「分かった。俺はもう甘利としか交渉はしない」

× × ×

今年4月20日。来日したフロマンと首相官邸近くの内閣府で行った日米閣僚協議は、目に見える成果が期待されていた。訪米する安倍と米大統領のオバマの首脳会談が1週間後の28日にセットされており、大筋合意に向けた発信が予定されていたからだ。ギリギリの状況の中での“直接対決”となったが、フロマンも簡単には妥協しない。

甘利「事務的に詰め切れていないのに、何をしに日本に来たんだ!」

フロマン「そうではない」

甘利「これ以上、閣僚同士で協議を続けても物別れだ。もうお引き取りいただいて結構だ」

ただ、日米同盟の重要性を認識する2人は、このタイミングで決裂することを回避する。のちにオバマが「中国のような国ではなく、われわれが世界経済のルールをつくる」と宣言したように、TPPは太平洋を取り巻く広大な経済圏をつくるだけでなく、対中外交・安全保障という政治的な側面があるからだった。

フロマン「いま、われわれはトップの意を受けてここにいるはずだ。もう少し最後の努力を続けてみないか?」

甘利「それもそうだ。続けることはやぶさかではない」

一進一退の攻防は翌21日の朝方まで約18時間に及んだ。甘利は自身のホームページで、フロマンとの日米閣僚協議について「穏やかにやっているうちは交渉は進まず、物別れ寸前になって道が開ける、の連続です」と振り返っている。

そんなフロマンの苦労を知っていたのか、オバマは日米首脳会談の際、安倍にこう耳打ちしたという。

「ミスター甘利は、なかなかタフネゴシエーターだな」・・・。

ついでに、私と甘利経済再生担当大臣とのツーショットの写真。
(今年6月25日東京総本部懇親会にて)